テーマ 「新しい児童福祉法について」~被措置児童虐待への取組み~
発題者 因伯子供学園 保育士 野田 慎二氏
開催日 平成21年8月28日(金)18:30~20:30
◆開催場所◆
皆成学園 会議室 (倉吉市みどり町3564-1)
◆参加費◆
会員・・・無料
非会員・・・参加費500円 (その場で入会できます。その場合、会員扱いとなります)
◆申し込みの方法◆
参加を希望される方は、小坂までご連絡ください。ご参加お待ちしております。
〔連絡先〕 因伯子供学園 小坂宗司(鳥取養育研究会 運営委員)
TEL 0858-22-2639(代表) FAX 0858-47-0234
Eメール inpaku-2@mountain.ocn.ne.jp(@が大文字なので小文字に直してください)

平成21年4月より児童福祉法が一部改正になりました。その中でも入所児童と関わる支援者にとって身近な問題となっている「被措置児童虐待防止」があります。そこで鳥取県児童養護施設協議会の「権利擁護チーム」の取り組みに付いて、因伯子供学園の野田慎二さんに発表していただきました。「被措置児童虐待」とは施設職員等が入所児童に、身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待を行うことをいいます。安心、安全に十分な支援を受けるはずの子どもが残念なことに施設内で傷ついている現状がありニュースなどでも報じられています。それを防止する為には職員にどんな意識が必要か、また見直すべき点があるのでは?など議論しました。

チームのはじめの取り組みとして、法律が新しくなった事を伝えるためにリーフレットを作成され、虐待・通告について子どもたち職員に説明されました。低年齢の子どもにも分かりやすく理解できるよう周知の徹底を図られたようです。しかし、子どもたちに通告の手段を伝えても肝心なのは職員自身がこの「被措置児童虐待」について具体的にどう取り組むのかが課題になります。職員は日々支援している中で無意識のうちに虐待を加えていないでしょうか?自分が気付かないうちに行っている可能性があるのではないでしょうか?そういう意識や機会を持つことで自分自身の支援や関わりを振り返る必要があります。そのため権利擁護チームでは「虐待防止のための点検項目」「虐待防止のための禁止事項チェックリスト」という2種類の点検票を作成・検討中だそうです。

{内容を一部抜粋}
「虐待防止のための点検項目」
児童の訴えに耳を傾けることを怠ってはいないか。
本来、職員がなすべきことを、作業・訓練・指導と称し、児童にさせていないか。
職員が管理しやすいからと、衣類等に氏名や施設名を大書きしていないか。
児童一人ひとりに笑顔で接し、優しい言葉をかけているか。

「虐待防止のための禁止事項」(身体的虐待)不必要に児童を閉じ込め隔離したり、身体拘束を行ってはならない。排せつ訓練という理由で、無理やり長時間トイレやオマルに座らせてはならない。

(心理的虐待)
乱暴な言葉や態度による威圧的な行為、脅迫などを行ってはならない。反省を促す方法に、罰という手段を取ってはならない。

(ネグレクト)
他児童による暴力やいじめを放置してはならない。服薬の確認を怠るなど、治療を妨げることがあってはならない。

(性的虐待)不必要に児童の胸や性器を触ってはならない。            ・・・など。

項目はまだ多くありますが、中には職員が当たり前と思っていたことも点検項目・禁止事項であったりハッとする部分がありました。しかし禁止事項に該当しますが時にはそうせざるをえない状況もあり、例えば身体の拘束(羽交締め)など、今はそれしか方法がない「一時性・切迫性・非代替性」が求められる事もあります。それらをクリアするようなチェック体制を作る必要があるという声もありました。

このような状況が発生しても、施設内で報告することにより理解・周知され、レポートすることで分析につながり発生状況が見えてくるようです。すでにそのような体制のある施設もあるようですが、自己の判断で問題を処理したり、隠すことで悪循環が発生しているように思います。自分の常識と世間の常識、それぞれの文化があるため誤りのない判断が必要です。そのために研修を行いスキルアップしきちんとした養育理論を身につけることが重要であり、今後は施設内の問題発生状況や、内部点検の様子を公開しきちんと対応している事を言えないといけないようです。今後、当然の事ではありますが、子どもたちの支援において今まで以上に権利擁護に対する意識をもたなくてはなりません。専門性・スキルアップも必要ですが職員一人ひとり、また職員全体が統一した権利意識で支援に向かわなくてはならないようです。

提案していただいた野田さん、夏休みでお忙しい中ありがとうございました。そのほか、会に参加してくださった方々も貴重な意見をくださり2時間ではもったいない気がしています。また機会があればパートⅡを企画したいと思います。次回の定例研究会も多くの方に参加していただき有意義な時間を過ごしたいと思いますのでよろしくお願いします。