2011年5月のことです。image
ある県の児童養護施設で生活している小学校1年生の女の子の身の上に起こったできごとが このワークショップのきっかけがあります。
第1回子どもと施設の権利擁護全国ワークショップでの「施設で生活する子どもの権利 その1」のスライド資料から引用します。

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・私は、お母さんの事情で4月にN県にあるこの施設に入所した小学校入学したてのピカピカの一年生の女の子です。
・5月末のある朝。保育士さんが「今日は学校に行かなくてもいいよ」って言いました。
・児童相談所の人が来て、その人と保育士と一緒に車に乗りました。
・なんだか遠いところにいくようですが、どこに行くのか教えてくれませんでした。
・ずいぶんと長い間、車に乗ってから大きな建物に着いて一緒に降りました。
・お昼ご飯をいただきました。
・初めてあったお姉さんが「お母さんに会いたいですか?」 「今日は、これからどこに行くのか知っているよね」と訊かれました。
私は「知らない」と答えました。本当に知らなかったのです。
・その後、大人達がいろいろお話ししていました。
・そして私は、初めて「今日からT県にある○○学園で生活する」ということを知りました。
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この時、受け入れたのが私たちの鳥取県でした。とても驚きました。施設側に問うと「早くに知らせると他の子どもが動揺するから」とのことでしたが それでも児童相談所の車に乗る前に説明ぐらいしてもいいじゃないのかと思います。大人として子どもに対してとても恥ずかしく 申し訳ない気持ちになりました。
その施設にはそこの考えや方式があるのでしょう。これをしてはならないこと 例えば「被措置児童等虐待」の疑いとして通告することも可能でしたが そんなことをしても誰かを悪者にするだけで女の子の不安が軽くなるわけでもありません。
それまで「子どもの権利を護る」ことは「大人が子どもにやっちゃいけないこと」を中心に議論されてきました。でも、殴ったり罵ったり、無視したりすることは 普通に相手が大人でも子どもでもしちゃいけないことなのです。むしろ「子どもの権利擁護」って、大人が子どもの尊厳を護り 礼儀正しく 接することから始まるのではないか
。つまりは「しちゃいけないこと」ではなくもっと「しなければならないことがある」のだと思うようになりました。
まして「子どもの権利擁護の最後の砦」なんて美しい言葉を並べている児童養護施設(全部の施設じゃないけど)で 子どもの権利擁護をちゃーんと議論する必要があるぞって言い出したら 鳥取養育研究所(当時は会でしたが)の仲間が賛同してくださいました。
題名も「子どもと施設の権利擁護」で子どもだけじゃなく施設で働く職員も含めて 権利を考えるということになったのです
第1回はあたふたと夢のように過ぎてゆきましたが 第2回 第3回と積み上げてゆけることの喜びを感じています
実行委員 西井